非認知能力を高める5つの力 ⑤課題解決力

先生
先生
非認知能力を高める5つの力のうち、今回解説するのは、5つ目の「課題解決力」です。
お母さん
お母さん
課題解決力、ですか。うちの子は、そもそも自分の「課題」をわかっていないような気がします・・・。
先生
先生
「課題解決力」とひと言で表すと難しく感じますが、まず大切なのは、子どもが「自分で考える力」を育てることです。
お母さん
お母さん
そうなんですね。うちの子は、好きな遊びをしているときは、いろいろ考えているように見えます。
先生
先生
それでいいんです。その積み重ねが、課題解決力につながるのです。くわしく見ていきましょう。

「課題解決力」とは、問題や課題を見つけて解決する力を表します。

世間一般の常識や、周りの人の意見に流されず、自分にとってベストな選択は何か、先を見越して今何をすべきなのかを考えることができる力です。

課題解決のみならず、課題を発見して解決の方法を判断し、実行することを含めて「課題解決力」ということができます。

課題解決力は、小学校の学習指導要領でも記されています。

課題を発見して解決する力は、勉強に限らず、「生きていくうえでの必要なスキル」といえます。

新型コロナウイルスなどの疫病、地震や台風などの災害、AIの進化など、社会の変化を予測しづらい今は、

・ Volantility(変動性)
・ Uncertainty(不確実性)
・ Complexity(複雑性)
・ Ambiguity(曖昧性)

それぞれの頭文字をとって、「VUCA(ブーカ)の時代」ともいわれています。

子どもたちが、この時代をたくましく生き抜くためにも、課題解決力を育むことは必要不可欠です。

課題解決力は、「課題を発見する力」、「課題を解決する方法を判断する力」、「課題を解決するために実行する力」の3つの軸からなります。

この、3つの軸について、くわしくお伝えします。

課題を発見する力

課題を発見する力とは、「現状よりもよりよい状態にするためには、何をしたらいいのだろう」と、課題を自ら考えて見つけ出す力です。

子どもたちは、学校でのテストなど、答えのある問題に取り組むことが多いですが、世の中には、「答えがない問題」も多いです。そのため、自由な発想で課題を自ら考え出す力が求められています。

課題を発見する力は、「課題を見つけることができる力」「課題を考えることができる力」からなります。

⚫️課題を見つけることができる力
課題を見つけることができる力は、「自分がもっと成長したい」といった意欲を抱いて、はじめて身につけることができます。
やる気や自信、向上心などが、課題を見つけることができる素地となります。

⚫️課題を考えることができる力
課題を考えることができる力は、取り組んでいることに対して「これでいいのだろうか」と現状について考える力です。
今、うまくいっているとしても、よりよい状態になるためにできることについて考える、ポジティブな力です。

課題を解決する方法を判断する力

課題を解決する方法を発見する力とは、課題を分析し、さまざま情報も収集しながら課題解決に向けての方策を考える力です。

子どもが自分の課題と向き合っているときは、状況に応じて、親や周りの大人が「どうしたらいいと思う?」などと投げかけながら、自分なりに分析できるよう導いていきましょう。

課題を解決する方法を判断する力は、「解決につながる方法を見つける力」「解決につながる方法を行動に移そうと判断する力」からなります。

⚫️解決につながる方法を見つける力
解決につながる方法を見つける力の源となるのが、観察力です。

観察力が高い子どもは、物や構造などの理論に疑問をいだき、自分で情報を集めて分析するというプロセスが身につき、解決につながる方法を見つける力も高いといわれています。

⚫️解決につながる方法を行動に移そうと判断する力
解決につながる方法を見つけるだけでは、課題解決にはつながりません。方法を見つけたら、「よし、やってみよう」=行動に移そうと判断する力が必要になります。

お母さん
お母さん
なるほど。こうして聞いてみると、課題解決力は、一朝一夕で身につくものではなく、子どもが自分で考える力を小さいうちから育くんでいくことが大切なのですね。
先生
先生
その通りです。子どもが小さいうちから、「パンとご飯、どっちを食べる?」
など、ちょっとしたことでいいので、子どもの考えで行動させるような言葉をまめにかけることが大切です。
お母さん
お母さん
家庭での会話を意識するのですね。
先生
先生
そうですね。園から帰ってきたら、「今日は何が楽しかった?」「だれとどんな遊びをしたの?」など、子どもが自分で考えられるようさりげなく質問する習慣をつけるとよいでしょう。

課題を解決するために実行する力

課題を解決するために実行する力とは、自分でたてた目標やプランを計画的に進め、実行に移すことができる力です。

ただ漠然と、がむしゃらに行動するのは、課題実行力とはいえません。
実行に移す前の目標設定が大切です。

目標を設定して計画をたて、実際に行動してみることです。

行動することにより、予想に反してうまくいかないことがおこる可能性もあります。
そのような場合でもそこでくじけず、計画を立て直すことや、周りのひとに相談しながら行動を変えていく力も蓄えたいものです。

課題を解決するために実行する力は、「解決につなげるため、実行する力」「うまくいかない時でも解決に向けて立て直す力」からなります。

⚫️解決につなげるために、実行する力
課題解決に向け、自分でたてた計画にそって実行する力を発揮することではじめて、解決につながります。

課題を解決するためには、「できなかったらどうしよう」などといった不安や、緊張を乗りこえる強い気持ちが大切です。

⚫️うまくいかない時でも解決に向けて立て直す力
課題解決に向けて実行してみてもうまくいかない時、そこであきらめず、目標をたてなおしたり、計画を見直したりなど、立て直す力です。

一人でかかえず、周りの人に相談するなどよい意味で「周りを巻き込む」力も必要になります。

えいたくんは、小学2年生の男の子です。
サッカーが大好きで、週に2回、サッカークラブに通い、家でも毎日練習に励んでいます。

一生懸命練習するうちに、リフティングも少しずつ上手になり、一人で20回くらいできるようになりました。

でも、同じ学年の、サッカーが上手なけんすけくんは、リフティングが50回できます。
えいたくんは、「僕も50回できるようになりたい!」と思い、お母さんに相談しました。

お母さんは、えいたくんの気持ちを受け止めつつも、
「いきなり50回を目標にするのもいいけど、最初は25回をめざすところからはじめて、少しずつ回数を増やしていってみたら?」と、アドバイスしました。

えいたくんは納得し、最初は25回を目標に練習を始めました。
毎日一生懸命練習したかいがあり、1週間で35回まできるようになりましたが、
その後、なぜか回数がのびません。

えいたくんは、サッカークラブのコーチに相談しました。するとコーチから、「つまづいたときは、前の練習に戻してみたら?ボールを1回地面につけてからのリフティングなら、50回できるんじゃない?」と、アドバイスをもらいました。

コーチからのアドバイスで気をとり直したえいたくん。1ステップ前の練習に戻り、ボールを1回地面につけてからのリフティングを延々と練習するうちに、150回もできるようになりました。

これに自信をつけたえいたくんは、再び普通のリフティングに戻し、毎日コツコツ練習をつづけました。気がついたら、70回できるようになっていました。

お母さん
お母さん
えいたくん、すごいですね。子どもが自ら課題を見つけ、「やりたい!」という気持ちを、親をはじめとする周りの大人が適切にフォローすることで、課題解決力を養うことができるのですね。
先生
先生
そうですね。このような経験を重ねることで、自己肯定感を育むことができます。
まとめ
  • 課題解決力は、世間一般の常識や、周りの人の意見に流されず、自分にとってベストな選択は何か、先を見越して今何をすべきなのかを考えることができる力である。
  • 課題解決力は、「課題を発見する力」、「課題を解決する方法を判断する力」、「課題を解決するために実行する力」の3つの軸からなる。
  • 課題解決力を養うには、子どもが小さい頃から、家庭での会話を通して「考える力」をつけることが大切である。

(参考文献)
失敗に負けない強い心が身につく 世界標準の自己肯定感の育て方(著・船津徹 KADOKAWA)
非認知能力の育て方(著者:ボーク重子 出版:小学館)
0〜5歳児の非認知的能力(著者:佐々木 晃 出版:チャイルド本社)
考える力につながる観察力(伸芽,Sクラブ/子育て&教育ひと言コラム)

 

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2018年6月1日
(最終)改訂日2021年5月1日
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