非認知能力を高める5つの力 ③協調性

先生
先生
非認知能力を高める5つの力のうち、今回解説するのは、3つ目の「協調性」です。
先生
先生
「協調性」は、性格や意見などが違う人同士がお互いにゆずりあいながら、調和を保とうとすることです。自分がこれまで見たり、聞いたり、体験したりしたことをもとに、周りの状況や相手の立場などを考え、その場で適切な言動ができる力と言われています。
お母さん
お母さん
わが子には、協調性のある子に育ってほしいです。親からの関わり方で、協調性のある子に育てることができるのでしょうか?
先生
先生
協調性は、もともと持ち合わせている性格だけではなく、家庭や園・学校、習い事など日々の生活の中で少しずつ育むことができます。どのように育まれていくのか、くわしく見ていきましょう。

「協調性」は、「複数の人がお互いに助け合い、ゆずり合いながら、同じ目標に向かって進んでいこうとする資質」をさします。

周りの友達の言動などから、その人の気持ちを推測し、くみとり、相手を助けてあげようとする思いやりの気持ちが源となります。

協調性は、発達段階的には、4歳を過ぎた頃から少しずつ身についてくるものと考えられています。

「協調性がある」というのは、その子が生まれもった気質が100%というわけではなく、親からの働きかけや園・学校、習い事での先生や友達との関わりなど、「環境」によるところが大きいものです。

協調性は、「仲間を思いやる力」、「仲間と協力する力」、「仲間に手を差し伸べ、支える力」、3つの軸から成り立ちます。

この、3つの軸について、くわしくお伝えします。

仲間を思いやる力

仲間を思いやる力は、相手のことを思う力、相手の立場に立って物事を考えようとする力、相手がどのように感じているのかをくみとってあげられる力を表します。

園・学校など集団生活が始まると、家庭とは違う場での心細さや楽しさ、友達とのいざこざなどを通してさまざまな感情を体験します。

このたびに、自分の気持ちに折り合いをつけながら、相手の気持ちを少しずつ理解できるようになっていきます。

仲間を思いやる力には、「想像力」「敬意」が含まれます。

⚫️想像力
想像力とは、「イメージする力」です。
子どもは1歳半くらいになると、砂遊びでの砂をケーキに、積み木をお城に見立てて遊ぶなど、自分のイメージを持つようになります。

この「イメージ」が、想像力の源です。
4歳以降になると、友達とイメージを通して「ごっこ遊び」などを楽しむようになり、そのような関わりのなかで、相手の「気持ち」を想像することができるようになっていきます。

⚫️敬意
敬意とは、相手を尊重する気持ちです。
この時期においては、さまざまな人との関わりのなかで、「相手の存在を認める気持ち」ととらえるとよいでしょう。

具体例を見てみましょう。

まさるくんは、やんちゃで元気な男の子です。
毎日楽しく園に通っていますが、かっとしやすいところもあり、友達といっしょに遊んでいるときに思い通りにいかないことがあると、友達に手が出てしまうことがしばしばありました。

園の先生は、このような場面を目にするたびに、まさるくんを叱るよりも先に、「どうして叩いちゃったのかな?」と問いかけ、まさるくんからの答えを待ちました。

まさるくんが理由をこたえると、先生は最初に「⚪⚪だったから、腹が立って叩いちゃったのね」と共感したあとで、「でもね・・」と、叩くのではなく言葉で説明することが大切なことや、具体的なふるまい方について、諭すようにしました。

先生は、まさるくんのお母さんにも、園でのまさるくんの様子を伝え、家庭でも同様に、「まずはまさるくんの気持ちを理解し、言葉にしてあげることから始めてください」と伝えました。

園と家庭で根気よくまさるくんと関わるうちに、気がつくと、まさるくんの手が出る回数は自然と減っていき、友達と楽しく遊べるようになっていきました。最近は、複数の友達と、毎日電車ごっこで遊んでいます。

人の気持ちを理解するためには、自分の気持ちを理解することが大切です。

子どもが、自分の気持ちを理解するためには、親や園・学校の先生など周りの大人の人からの「そういうときって、こんな気持ちになるよね」「わかるよ」などという、「共感」のメッセージが必要になります。

周りの大人の人に、自分の気持ちを共感してもらい、自分の気持ちを十分感じることで、相手を思いやることができるようになります。

お母さん
お母さん
なるほど。思いやりを育むには、まずはわが子をよくみて気持ちを理解し、言葉にしてあげることが大切なのですね。
先生
先生
その通りです。幼児期になると、多くのお母さんは、わが子に「乱暴な子」「おとなしい子」などのレッテルをはりたがります。この時期から子どもにマイナスのレッテルを貼ってしまうと、子どもの自己肯定感は育ちにくくなってしまいます。
お母さん
お母さん
そうですね。友達や先生との関わりが増えるこの時期は、子どもの気持ちを言葉にしながら、どう行動するべきかを根気よく教えていかないと・・・。
先生
先生
言葉で説明しきれないことや、すぐにできないことは、親がお手本となって、日常生活のなかで示していきましょう。

仲間と協力する力

仲間と協力する力とは、性格や意見などが違う人同士がお互いにゆずりあいながら、調和を保とうとすることです。

ただ単に、周りの友達に合わせることや、友達のまねをして同じことをするのではなく、その根っこに「自分の意思」があることが大切です。

自分の意見を主張しながらも、周りの人の意見にも耳を傾けられる力を養うことが、周りの人と調和しながら生きていくためには必要です。

仲間と協力する力には、「共感性」「仲間と協力して取り組む力」が含まれます。

⚫️共感性
共感とは、相手の意見や感情に寄り添うこと。相手の関わりのなかで、「相手は今、どんな気持ちなのかな」「相手は自分に何を話したいのかな」ということについて自分で考え、理解しようとする力をさします。

⚫️仲間と協力して取り組む力
たとえば、園で仲良しの友達といっしょに積み木遊びをしているうちに、「大きな駅を作ろう!」となった時に、周りの友達を誘い、皆で協力しあいながら作り上げようとする気持ちが、「仲間と協力して取り組む力」の源となります。

仲間に手を差し伸べ、支える力

仲間に手を差し伸べ、支える力とは、周りの人に手をさしのべる力、周りの人を助けようとする力や支えようとする力、未来に向けより良くしていこうとする力をさします。

園で、泣いている友達をなだめてあげるのも「仲間に手を差し伸べ、支える力」、スポーツの習い事のチームで、年下のクラスの子に道具の使い方などを教えてあげたりするのも「仲間に手を差し伸べ、支える力」です。

仲間に手を差し伸べ、支える力には、「コミュニケーション能力」「積極性」が含まれます。

⚫️コミュニケーション能力
コミュニケーション能力とは、会話などの言葉を通じて、お互いの感情や考えを伝え合う能力をさします。
コミュニケーション能力が高い子というのは、自分の意見を言えるだけでなく、相手の意見をしっかり聞くことができる子です。

⚫️積極性
積極性とは、自分で考えて物事を行う性質のことです。
目標に向かって周りを巻き込む力、チャレンジする力など、その方向性はさまざまです。

コミュニケーション能力を育むことができれば自然と積極的になりますし、積極的になるとコミュニケーション能力も高くなるものです。

仲間に手を差し伸べ、支える力の源にあるのは、仲間を思いやる力や仲間と協力する力です。

たとえば、チームスポーツの習い事の練習中、仲間のだれかが困っていたら、「どうしたの?」と声をかけ、その子が困っていることを聞き出し、解決策を教えてあげる。

自分で解決策がわからない場合は、わかりそうな仲間に聞いたり、先生に聞いたりなど他の方法を考える。

チーム内でこのようなコミュニケーションができるようになると、仲間同士の結束が高まり、チームワークが強固になっていきます。

まとめ
  • 協調性は、体験してきたことをもとにして、周りの状況や相手の立場などを考え、その場で適切な言動ができる力である。
  • 協調性は、「仲間を思いやる力」、「仲間と協力する力」、「仲間に手を差し伸べ、支える力」、3つの軸からなる。
  • 親や周りの大人の人に自分の気持ちを共感してもらい、自分の気持ちを十分感じることではじめて、相手を思いやり、協調性を育むことができるようになる。
  • 協調性は、子どもの言動を見守り、話をよく聞き、まずは共感してあげることから育まれる。

(参考文献)
0~5歳児の非認知的能力 事例でわかる! 社会情動的スキルを育む保育(著者:佐々木 晃、出版:チャイルド本社)
⚪のない大人 ×だらけの子ども(著者:袰岩奈々(ほろいわなな)出版:集英社)
まんがでわかる発達心理学(著者:渡辺弥生 出版:講談社)

・ベネッセ教育情報サイト| 幼児期から「イメージする力」をのばすと、想像力や社会性が豊かになる!

 

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2018年6月1日
(最終)改訂日2021年5月1日
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