どんな場面でも生き抜く力の源となる自立心は、子どもの頃から少しずつ育まれていくものです。
子どもの自立心を育むためには親のサポートが必要不可欠ですが、親が必要以上に子どもに手を貸しすぎてしまい過保護になってしまうと、本当の意味での自立を妨げてしまいます。
子どもの成長に合わせ、自立心を育んでいくためには、親はどのように関わっていけばよいのでしょうか。
OKパターン、NGパターンを紹介します。
「自立」とは「なんでも一人でできること」だけではない
そもそも「自立」とは、どのような状態を表すのでしょうか。
広辞苑には、「他の援助や支配を受けず、自分の力で判断したり身を立てたりすること。ひとりだち。」と記されています。
「子どもの自立」と聞くと、「自分のことは自分でできる」「自分でお金を稼いで生活する」といったイメージを抱く方も多いと思います。
また、親が促さなくてもやるべきことができる「手のかからない子ども」を思い浮かべる方もいるかもしれません。
確かにこれらは「自立」のひとつです。
しかし、これらができることだけが、「自立」なのでしょうか?
人間は、生涯を通じて、自分ひとりの力だけで生きていくことはできません。
乳幼児期は親や園の先生など、小学校、中学校、高校、大学時代は親、先生、近所の人、友達など、社会に出ると、会社の上司や同僚、先輩、学生時代の友人などが、困ったとき、悩みがあるとき、不安なときなどに相談にのってもらい、助けてもらい、支えてもらいながら「自立」につながっていきます。
「自立」には、自分ひとりでできることは自分でしながらも、下記の意味が含まれることが分かります。
・ 困っていることや助けてほしいことを素直に周りの人に伝え、援助してもらうこと
・ 援助してもらった人に感謝の気持ちを伝えられること

子どもの自立のためにしてはいけない親のNG行動4つ
子どものためを思ってサポートしているつもりでも、結果的に子どもの自立を妨げてしまう親の行動を4つ、紹介します。
親がなんでもやってあげてしまう
園に行く前の準備や着替え、学校の準備など、子どものペースが遅いと親が全部してしまう、子どもが料理に興味をもち、お手伝いをしたがっているのに「危ないから」と親が全部やってしまうなどです。
親の過保護は、子どもの主体性の芽をつぶし、「どうせママ(パパ)がやってくれるから」と、「自分で考える力」を奪ってしまいます。
親の価値観を子どもに押しつける
「子どもの将来に役立つから」「能力を伸ばしてほしいから」などの理由から、子どもの習い事などを親が決めてしまうケースもあります。
そうすると子どもは“やらされ感”を強く感じ、物事に取り組むモチベーションも下がってしまいます。
やる気がでないため、能力も伸び悩む傾向にあります。
友達同士のトラブルなどに口を出して解決する
子どもがある程度大きくなっても、友達との間でトラブルが起こったらその理由を子どもに聞き、相手の親と話して解決してしまうと、子どもは「何かあったら親が解決してくれる」と思うようになってしまいます。
このような過干渉により、子どもは親の顔色をうかがいながら行動を決めるようになり、自立心を育むことができません。
すぐに否定する・きょうだいや他の子と比べる
子どもが興味や関心を抱いたものに対し、「危ないからダメ」「あなたにはまだ早いからダメ」など、すぐに否定しまうと、子どもは「どうせ僕は(私は)何もできない」と自信を失ってしまいます。
また、きょうだいや周りの子と比べ、「どうしてできないのか」と心配するとネガティブな気持ちが子どもにも伝わり、自立が妨げられてしまいます。