やりぬく力

子どものレジリエンスを高めるために親ができることとは?

レジリエンスとは、逆境や困難から立ち直ったり、不測の事態にも柔軟に対応できたりするしなやかな心のことです。

『逆境に強い人に共通する「レジリエンス」とは?』では、レジリエンスが高い人は心の回復力、弾力性、適応力を持っていることや、レジリエンスは養って高めていくことができることをお伝えしました。

逆境に強い人に共通する「レジリエンス」とは?レジリエンスとはどういう意味? 「レジリエンス」とは、逆境や困難から立ち直ったり、予測しないことが起きたときに柔軟に対応することができ...

このコラムでは、レジリエンスが強まる仕組みや、レジリエンスの高め方などについてご紹介します。

レジリエンスが強まる仕組みについて

レジリエンスの研究によって、レジリエンスはトレーニングによって習得できることがわかっています。

そのトレーニング方法を「レジリエンス・トレーニング」と呼びます。

心の筋肉であるレジリエンスを鍛えるには、次の3つのステップを繰り返すことが必要です。

1.底打ち
困難や失敗に直面すると、心が疲れて精神的に落ち込みやすくなります。
その原因は、不安や心配、憂鬱感や罪悪感などのネガティブ感情です。
このようなマイナスの感情の連鎖を断ち切り、心の落ち込みを底打ちすることが最初のステップです。

2.立ち直り
次は元の心理状態に回復するステップです。
ここでは心の筋肉を鍛えることで手に入る、障害を乗り越え前進する力が必要になります。

3.教訓化
困難を克服した後、過去の逆境体験を振り返り、次につながる意味を学ぶ内省が最後のステップです。
振り返りの時期は、心の痛みが薄れて気持ちに余裕ができてから行うのがベストです。

(出典)『マンガでやさしくわかるレジリエンス(久世浩司著/ 日本能率協会マネジメントセンター)』

この3つのステップを繰り返すことで、レジリエンスは強化されていきます。

レジリエンスを高める近道は、果敢にチャレンジし続けることです。

それでも、自分の心の状態と相談しながら無理しすぎないことも大事です。

子どものレジリエンスを育てるために大切な10のこと

子どものレジリエンスを養う上で重要になるのは、子どもを取り巻く環境です。

そのため、親や周りの大人の関わり方がとても重要になります。

放任でも過保護でもなく、子どもをしっかりと見守りながら、適切なときにサポートできるようにしましょう。

1.周囲の人間とのつながりを強める

友達や周りの人々との絆を深めることに積極的に取り組みましょう。

その経験を通して子どもは、相手の気持ちを汲み取ることや、相手を共感する力を養っていきます。

親は子どもが悩んだり傷ついていたら話を聞いたり、必要であればアドバイスをすることが大切です。

2.お手伝いやボランティア活動などをする


子どもはお手伝いやボランティアなど、誰かの役に立つことを通して適度な自信を身に付けることができます。

自分の存在意義を自覚することや、自分は誰かの役に立っているという気持ちを小さな頃から体験させてあげましょう。

この経験は、大人になってからも生きる意味を自分で見つけていく、前向きな考え方につながっていきます。

3.規則正しい生活習慣を心がける

規則正しいメリハリのある生活を送ることを目指しましょう。

きちんとしたリズムのある毎日を送ることは、子どもの健やかな心の成長のためにとても重要なことです。

子どもに生活習慣の大切さをしっかりと伝えて、徐々に自分でできるように促していきましょう。

正しい生活習慣は、大人になってからも心を支えるものになります。

4.自分の感情を知ることを学ぶ

ルールや約束を守ることも大事ですが、心が疲れていると感じたらきちんと休むことが大切です。

子どもの頃から自分の感情を把握する練習を行い、疲れを感じていたら休むことの大切さを伝えましょう。

大人になってからも自分のメンタルヘルスを保つことに役立つでしょう。

5.心のセルフケアの仕方を覚える

落ち込んでいてもこれをすれば元気になるというような、リフレッシュ方法を子どものころから身に付けていきましょう。

このことはストレスを発散することにとても役立ちます。

また、心の自己管理が上手にできるようになれば、大人になってからもストレスと上手に付き合い、心の病気の予防にもなります。

6.何かの目標を決めて頑張る


子どもと一緒に何か目標を立てて、それに向かって頑張ることを習慣化しましょう。

子どもが何かを成し遂げたときには、親は努力をしたことやプロセスをきちんと褒めることが重要です。

子どもは、成功経験から自信を身に付けていき、自分が成し遂げたことに目を向けるようになっていきます。

前向きの視点を持つことは、レジリエンスを強化する上でとても大事なことです。

7.自分を信じる心を育てる

目標を決めて頑張ったことや成し遂げた経験が、子どもにとって人生の糧になることを伝えましょう。

「これができたから今度はあれもできるね」などと、子どもが自分を信頼できる方向に親は導くように心がけてみましょう。

次々と問題や課題が与えられても、自分を信頼する心があれば乗り越えていけるようになります。

8.ポジティブ思考を教える

子どもに対して、物事を俯瞰して見るトレーニングや、ポジティプ思考のメリットについて繰り返し伝えていきましょう。

「これが苦手だから無理」、「絶対失敗する」などとマイナスな思考に陥らないためには、常にポジティブ思考で問題に立ち向かっていくことが必要です。

小さな頃からの積み重ねで、ポジティブシンキングは身に付いていきます。

9.失敗や困難から学ぶ

失敗や困難に直面することをマイナスのことと受け止めるのではなく、次のステージへ行けるチャンスだったり、何かを学ぶ機会だったりすることであると伝えましょう。

親の経験談を話して、自分も失敗を通して学んできたことを話すことも効果的です。

実際に子どもが何かに失敗したときには、そこで子どもが得られたものを見つけて教えてあげましょう。

10.変化を受け入れる練習をする

これからの時代は特に、変化し続けることに対応できることが大事です。

子どもに降りかかってくる出来事に対して、親はその都度、言葉をかけて子どもの心を安心させてあげましょう。

「今度このようなことがあったら対処できるね」などと前向きな言葉が子どもの心を安心し次こそはと奮い立たせることになります。

人生に変化はつきものであることを小さなことから学んでいくことが大事です。

これらのことをする上での大前提は、親が子どもを信じきっていることです。

子どもが失敗をするのは当然のことなので、そのことにいちいち目くじらを立てることなく、「失敗から学んでいく」とおおらかな気持ちで構えていると良いでしょう。

子どもを受け止める親の心構えが、子どものレジリエンスを高める土台となるでしょう。

家族みんなでレジリエンスを高める!


親がネガティブ思考でマイナスの発言ばかりの環境で、その子どもはポジティブ思考になることができるでしょうか?

子どもは親の影響を受けて育つのは自然のことで、子どもだけが親とは違ってポジティブ思考になることは難しいことでしょう。

レジリエンスにも同様のことが言えて、子どものレジリエンスを養い高めるには、親のレジリエンスが高いことが必要です。

まずは親が自分のレジリエンスについて見つめ直し、どんな課題があるのか考えて努力をしてみましょう。自分からレジリエンスを高めていき、それを子どもたちにも伝えていくんだという前向きな気持ちが大切です。

もし、それがプレッシャーに感じるようであれば、子どもと一緒に育っていこうくらいのゆったりとした気持ちで取り組んでみてください。

家族全員でレジリエンスを高めていき、どんなことがあっても笑顔でお互いに支え合っていられたら素敵なことではないでしょうか。

まとめ

・レジリエンスは、①底打ち、②立ち直り、③教訓化、のステップで強まっていく。
・子どものレジリエンスを高めるには、親は見守りつつサポートしてくことが大事。
・子どもだけではなく、親や家族みんなでレジリエンスを高めていく姿勢が望ましい。

編集部より

子どものレジリエンスを高める方法はたくさんあります。
レジリエンスを小さなころから身に付けて高めていけば、困難や課題に遭遇しても自分でそれを乗り越えていくことができるようになるでしょう。
だからといって子どものレジリエンスを高めることに必死になりすぎると、親も子も逆に大変かもしれません。
親は、ポイントをおさえて子どもをサポートするくらいの大らかさがとても必要です。

(参考文献)
・マンガでやさしくわかるレジリエンス(久世浩司著/ 日本能率協会マネジメントセンター)
・All About|子どものレジリエンスを鍛える10のコツ!逆境を跳ね返す力とは

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