今、世界中に新型コロナウイルスが感染拡大していて、人と人、国と国とが手を取り合って協力して解決していくことが求められています。
コミュニケーション能力を発揮して問題を円滑に進めていくことは、子どもが大人になり、自立をして、社会に出たときにも求められる重要な力となっていくでしょう。
仕事ではもちろん、家族や友人たちと良好な関係を保ち続けるために必要なコミュニケーション能力は、実は子どもの頃から適切に育んでいくことがとても大切になります。
どのように子どものコニュニケーション能力を高めていけばいいか、ご紹介していきます。
コミュニケーション能力が低い人と高い人の特徴とは
心理学博士で『「人と上手につき合える子ども」に育てる36の処方箋』の著者である心理学博士の榎本博明さんは、人とのコミュニケーションが苦手な若者が急増していると話しています。
具体的には下記のようなシチュエーションで、コミュニケーション能力の低さから生きづらさを感じてしまう人がいるようです。
・人と一緒にいるだけで気疲れる。
・友達ができない、友達ができてもどう付き合えばいいのかがわからなくて悩む。
・就職しても仕事をしている時間は問題ないが、雑談をする時間を苦痛に感じる。
コミュニケーション能力が低いと、友達を作ることや友達関係を維持すること、また職場での人間関係をうまく保つことができないなどの影響が出てきます。
では逆に、コミュニケーション能力が高い人はどんな特徴があるでしょうか?
「日本コミュニケーション能力認定協会」によると、コミュニケーション能力が高い人の特徴について下記のように記しています。
・相手に共感することができる。
・相手の話を上手に聞ける聞き上手である。
・適切な質問をすることができる。
・自分の気持ちをわかりやすく相手に伝えることができる。
・周りの人のやる気を引き出し高めることができる。
・相手の心を引き付けるような話すことができる。
・話を総合的にまとめることができる。
・周囲の人に好印象を与えることができる
引用元:日本コミュニケーション能力認定協会/コミュニケーション能力とは?
コミュニケーション能力と聞くと、自分から働きかけて話をするイメージが強いかもしれません。
でも実は、相手の気持ちに共感することや、相手の話にきちんと耳を傾けることのできる姿勢がとても大事なのです。
もちろん自分の気持ちを正確に伝えることや、魅力的な会話をすることもコミュニケーション能力の一部ですが、その時の状況を感じ取り、相手のリアクションを知ることもコミュニケーションなのです。
コミュニケーション能力とは非認知能力の一つで、相手を理解して心を通わせて人との関係性を築き、人生をより豊かにする力と言えます。
子どものコミュニケーション能力は家庭で育もう
子どものコミュニケーション能力を育てることに関して、多くの文献に共通することは、親のあり方や対話の重要性についてです。
「非認知能力」の育て方の著者であるボーク重子さんも、親子の対話の重要性を述べています。
“コミュニケーションの基礎を作るのが、親子の対話であり、家庭での声かけなのです。
普段あなたはお子さんとどのくらい会話をしているでしょうか?
一緒の時間を過ごしていても、親子でじっくり話をすることは以外にも少ないかもしれません”
この言葉にドキッとされた方もいるかもしれません。
ボーク重子さんは、家庭で子どもと上手にコミュニケーションを取るためのコツとして、イエスやノーで終わらない質問を投げかけることをすすめています。
下記の具体例を見てみましょう。
親:「今日は学校何が楽しかった?」
子:「体育の時間かな」
親:「体育ではどんなことをしたの?」
子:「エビカニクスというダンスを踊ったの」
親:「へぇ、おもしろい名前のダンスだね。どんなダンスなの?」
子:「エビとカニのお話のダンスなんだ。エビのときはこんなポーズをするの」
親:「エビはそんなポーズなんだ! カニのときはどうするの?」
子:「カニはこうするんだよ」
親:「そんなダンスあるなんて知らなかった、ママにもダンス教えてくれない?」
子:「いいよ!」
親:「ママが覚えたら一緒に踊ろうよ」
子:「いいね!楽しそう」
このような感じで、子どもの会話一つ一つを丁寧に聞き、掘り下げていきます。子どもは親が自分に関心を持っていると実感することで自信も得られるので一石二鳥です。
あまり難しく考えずに、インタビュアーになったつもりで楽しく実践してみましょう。
