やりぬく力

脳科学から考える「やりぬく力」を育てる3つの秘訣

非認知能力3本の柱のひとつである「やりぬく力」は、やる気、主体性、自己肯定感、困難にも負けないがまん強さなど、いろいろな要素からできています。

これらは、心理学でいう「レジリエンス」に近い、心のありよう。
「レジリエンス」とは、困難や逆境の中でも心が折れることなく、しなやかに適応して生きのびる力を表します。

このレジリエンスを司る脳の部位が、大脳の中にある「前頭前野」(ぜんとうぜんや)です。

逆境に強い人に共通する「レジリエンス」とは?レジリエンスとはどういう意味? 「レジリエンス」とは、逆境や困難から立ち直ったり、予測しないことが起きたときに柔軟に対応することができ...

脳科学の視点から、「やりぬく力」の育て方について紹介します。

脳の急成長期に「やりぬく力」を育てよう

私たち人間の脳は、「未来志向性」という、すぐれた能力をもっています。

「未来志向性」とは、未来に目的をもって生きるというもので、その目的を達成するために努力をする能力が備わっているということです。

脳の中でも、大脳の約30%をしめる「前頭前野」は、思考や知能を司る役割があり、「脳の司令塔」ともいわれています。

この前頭前野は、生まれてから幼少時に爆発的に成長し、8歳くらいまでに、約95%が完成します。

この時期に子どもの前頭前野をすこやかに発達させることは「やりぬく力」を育むことにつながるのです。

どうすれば、子どもの前頭前野をすこやかに発達させ、「やりぬく力」を育むことができるのでしょうか。

キーワードは、「好奇心」です。

子どもは、生まれた瞬間から、「何だろう」「面白そう」「やってみたい!」と、いろいろなことに興味をもちます。

これが、好奇心です。サッカー、水泳、音楽、勉強etc..

自分が興味を抱いたものに対し、好奇心を持ち続けることができれば、少々失敗しても、またトライできるでしょう。

その中で、楽しんだり、夢中になる経験を重ねることが、やりぬく力を育む決め手となります。

親は、あれこれ手助けしすぎないようにしながら、「見守り、支援する」ことが大切です。

その姿勢を保つための3つの秘訣を紹介します。

夢中で遊ばせる


子どもは、夢中で遊んでいる時に、好奇心が強く刺激されます。

たとえば、公園での砂遊びで、砂の山にトンネルを作りたいのになかなかできないとき。

「こうすればできるわよ」と親が作ってしまうのでなく、「どうしたらできるかな?」などと声をかけながら見守りましょう。

子どもなりに工夫し、「壊れたらまた作る」を繰り返す中で、チャレンジ精神ややりぬく力が身につくでしょう。

また、同じくらいの年齢の友だちと夢中で遊ぶ経験を重ねることで、社会性を養うことができます。

友だちと話し合いながら、「どうしたら遊びを楽しく続けられるか」を考えることで、ケンカをしても歯止めがきくようになり、友だちと「遊びぬく」楽しさを味わえます。

お手伝い習慣を確立させる

新型コロナウイルスの影響でお家にいることが多い今、食事の配ぜんや片づけ、植物の水やり、洗濯物たたみなど、子どもが興味を抱いたお手伝いをさせ、それを習慣づけるのも良いでしょう。

最初はうまくできなくても、忘れずにできたら「ありがとう!とても助かるわ」と、感謝の言葉を忘れずに。

家庭で毎日決まったお手伝いを続け、家族に言葉をかけてもらうことで、「自分は家族に必要とされている人間だ」という自己肯定感を育むことができます。

また、自分が興味を抱いたお手伝いを続けることで、「どうしたらもっと上手にできるようになるか」「もっと早くするにはどうしたらいいか」などを自分で考えるようになり、やりぬく力を育むことができます。

子どもの不安な気持ちを受け止める


スポーツや勉強などで到達したい目標があって、それになかなか届かないとき。

子どもは、「どうしてできないのだろう」と、不安でいっぱいになってしまうことがあります。

そんなとき、親が子どもといっしょに不安になるのはNGです。

親の不安は再び子どもに伝染し、どんどん自信を失ってしまいます。

子どもの気持ちをじっくり聞き、「くやしかったね」などと受け止めてあげましょう。

そして、困難や苦境の切り抜け方のヒントを教えてあげ、最終的には子ども自身が「大丈夫」「また頑張ろう」と思えるよう導いてあげましょう。

これを繰り返すことで、「心が折れない子」「やりぬく子」が育っていきます。

まとめ

・ 子どもの「やりぬく力」を育むのに適した時期は、脳の急成長期=8歳くらいまで。
・ 子どもの好奇心を見守り、サポートする。手助けしすぎるのは逆効果。
・ 子どもの自主性にまかせて、とことん遊ばせよう。

編集部より

子どものやりぬく力を身に付けるには好奇心が重要なキーワードになります。
子どもが興味を持って取り組んでいることに思わず口を出したくなりますが、自主性に任せて、サポートすることが大切です。
最初はうまくいかなくても、親は手助けしすぎず、子ども自身が新たな発見や達成感を得られるよう見守ることが、やりぬく力を育てる上で重要です。

(参考文献)
・ 子どもの脳がぐんぐん育つ「やる気脳」を育てる(著者:澤口俊之)
・ 脳科学からみた8歳までの子どもの脳にやっていいこと悪いこと(著者:成田奈緒子)

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